米株erです。
S&P500にまだ含まれていないものの、業績と株価がどんどん成長中で今後も有望そうなグロース株トレードデスク(The Trade Desk)(ティッカー:TTD)を買いました。いつものように業績をグラフ化しつつ、各グラフの評価コメントも入れながら買った理由について書きたいと思います。
まずは、株価から見ていきましょう。コロナ前の高値が320ドルに対し、現在620ドルまで上げています。680ドル付近まで上げていたタイミングもあり、コロナ前の約2倍になっています。
また、コロナでの下落時には130ドル台になっていましたので、そこから見ると5倍近いです。
トレードデスクの基本情報
トレードデスクはデジタル広告の広告代理店向けのプラットフォーマーというような存在です。トレードデスクを使うと代理店は様々なフォーマットやデバイスでの広告枠を買うことができ、支出管理などのツール等を一元管理できます。
デジタル広告枠を提供する立場であるGoogleやAmazon、Facebookなどとは競合せず、むしろ広告枠を代理店につなげる仲介業者として協力する立場にあります。実際に「アマゾン・パブリッシャー・サービス」と提携を開始しており、これまでAmazonのFire TVやFire TVスティックユーザー向けに広告を掲載しようとすると代理店はAmazonと直接交渉が必要だったところを、トレードデスクのプラットフォームを使うだけで利用可能になります。同じようにGoogleやFacebookなどとも提携しているため、Amazon、Google、Facebookのすべてに広告を出したい場合にも各々との交渉は不要になります。
このように十数兆円を超え、なお二桁成長が見込まれるデジタル広告市場の中でトレードデスクはできるだけ競合を作らない形でうまく入り込んでいます。
トレードデスクの基本情報は以下の通りです。
会社名 | The Trade Desk トレードデスク |
ティッカー | TTD |
セクター | 技術情報 |
産業 | ソフトウェア-アプリケーション |
設立年 | 2009年 |
本社所在地 | Ventura, California |
社員数 | 1200人 |
取引市場・採用指標 | NASDAQ: TTD (Class A) Russell 1000 Index component |
決算月 | 12月 |
連続増配年 | – |
まだS&P500には入っていませんが、アメリカの時価総額上位1000位で構成するラッセル1000に採用されています。
トレードデスクの業績
トレードデスクの業績は以下の通りです。
2010-12 | 2011-12 | 2012-12 | 2013-12 | 2014-12 | 2015-12 | 2016-12 | 2017-12 | 2018-12 | 2019-12 | TTM | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高(百万ドル) | – | – | – | – | 45 | 114 | 203 | 308 | 477 | 661 | 680 |
営業利益(百万ドル) | – | – | – | – | 1 | 38 | 58 | 69 | 107 | 112 | 70 |
粗利率(%) | – | – | – | – | 71.8 | 79.8 | 80.3 | 78.5 | 76.1 | 76.4 | 75.1 |
デジタル広告業だけあって粗利率はかなり高くなっています。また、売り上げは指数関数的に順調に伸びています。コロナ禍で広告が減ったためか、TTMは伸びが緩やかになっていますが、ロックダウン期間後の四半期の業績は向上するのではないかと期待されます。
売り上げに対して営業利益は低めですが、これは成長のために積極的に投資を行っているからのようです。(2019年4QにトレードデスクCEOが今のところ可能な限りの再投資をする段階である旨の発言をしています)
2010-12 | 2011-12 | 2012-12 | 2013-12 | 2014-12 | 2015-12 | 2016-12 | 2017-12 | 2018-12 | 2019-12 | TTM | |
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一株利益(EPS)(ドル) | – | – | – | – | – | 0.17 | -1.46 | 1.15 | 1.92 | 2.27 | 2.48 |
自己資本利益率(ROE)(%) | – | – | – | – | – | 546.5 | -29.94 | 24.78 | 27.54 | 21.51 | 19.12 |
EPS(一株利益)とROE(自己資本利益率)ですが、EPSは伸びているものの、伸びは緩やかになりつつあります。また、ROEは利益をあまり出していないので低いです。
トレードデスクのキャッシュフロー
2010-12 | 2011-12 | 2012-12 | 2013-12 | 2014-12 | 2015-12 | 2016-12 | 2017-12 | 2018-12 | 2019-12 | TTM | |
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営業CF(百万ドル) | – | – | – | – | -15 | -37 | 75 | 31 | 87 | 60 | 165 |
フリーCF(百万ドル) | – | – | – | – | -17 | -43 | 66 | 18 | 61 | 20 | 104 |
売上に対する営業CFの割合 | – | – | – | – | -33.3333 | -32.4561 | 36.9458 | 10.0649 | 18.239 | 9.07716 | 24.2647 |
キャッシュフローは2017年と2019年に落ち込みがあったものの、TTMでは大きく拡大しています。キャッシュフローが大きければ次の成長に向けた投資が可能になるので、さらなる成長が期待できます。もちろん、投資の方向性を誤らなければですが。
トレードデスクのバランスシートの健全性
2010-12 | 2011-12 | 2012-12 | 2013-12 | 2014-12 | 2015-12 | 2016-12 | 2017-12 | 2018-12 | 2019-12 | TTM | |
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流動比率 (流動負債に対する流動資産の倍率) | – | – | – | – | 1.55 | 1.68 | 1.50 | 1.48 | 1.48 | 1.56 | 2.04 |
負債比率 (自己資本に対する負債の倍率) | – | – | – | – | – | 3.17 | 0.16 | 0.11 | – | 0.29 | 0.46 |
流動比率は1.5以上を維持していますし、負債比率も0.5未満であり、特に問題ないと考えられます。
トレードデスクの株を買った理由
以前投資してどうしようもなくなっていたVodafone(VOD)株を手放した資金や配当による資金がたまっており、どこに投資すべきか探していたところ、モトリーフールの記事にたどり着きました。「【米国株動向】巨大な成長ポテンシャルを有する米国株2銘柄」という記事でトレードデスクも紹介されており、2019年の記事だったのでそこからすでに株価2倍近くになっていました。
そこから事業内容や業績について調べ、自分でも上記のような各種グラフを作成して確認し、市場動向も踏まえると今後もまだまだ成長余地がありそうだと考えたたため、投資しました。特に粗利率が高く、キャッシュフローが大きく拡大傾向であるため、事業拡大はまず間違いないと考えています。社員数も数年前に比べると3倍ほどになっているようです。業績のところで少し触れましたが、CEOがビジネスモデルの構築方法について明確なビジョンを持った会社だということもあり、今後の成長に期待しています。
米株erの平均取得単価562.28ドルと、なかなかの高値で買っているので早く高値更新して安心させてほしいものです。(ポートフォリオは月末時点のものを公開予定です)
他にモトリーフールの記事で調べた中では、アメリカンウォーターワークス(AWK)も投資しようか検討しています。アメリカンウォーターワークスはS&P500に含まれており、業績については明日朝に記事を公開予定です。
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